2008年1月5日土曜日

2004年5月公演「手の紙」上演写真

2004年5月28日(金)〜30日(日)
【手の紙】
於・心斎橋ウイングフィールド



(この公演の公演時のチラシは残っていません)

劇団犯罪友の会
「手の紙」
(てのかみ)

【口上】
平和ラッパという凄い漫才師がいた。
昭和三十年代前半、まだ街中に「平和」という
看板がやけに目についた頃だ。
「平和時計店」「平和美容院」「平和ビリヤード」。
まだ「平和」という文字が人々の心の中に
大きな意味を持っていた時代だった……。
平和ラッパ──────────────────。
漫才のボケ専門で「天王寺の亀の池で〜」というギャグが
もの哀しく耳についた。
四天王寺の池で日光浴している亀の群れを
何時間も見つめている人たちを思い浮かべて……。
境内では月二回、行方不明者相談所が開かれ、
全国から多くの人たちが集まってきた。
満州、朝鮮、ビルマ、ジャワ、フィリピンなどの
行方不明者の掲示板にはり出された無数の尋ね人。
読経と線香の煙の中で風に吹かれていた。
池のほとりで戦死を認めたくない母たちの群れの
涙とため息が、池の底に落ちていく、落ちていく。
明治維新後七十四年に太平洋戦争が起き、
敗戦から六十年を経て、第三、第四世代の若者たちが、
イラクの戦場に派兵されている。
そこには多くの人達が一片の肉の塊になって転がって、
戦場には正義も大義も聖戦もない。
ただ無数の死と悲劇があるだけなのに。
幾度くり返せばいいのか……。
流す涙なら「恋の行方」で流してたい、
この行く先の見えない時代にラブストーリーを作ってみたい。
やるせない恋の行方の物語、楽しく笑って泣いてください。
「平和」という言葉をもう一度味わいながら……。


【作・演出】 武田一度
【日程】   5月28日(金)        7:00PM〜
       5月29日(土)        7:00PM〜
       5月30日(日)2:30PM〜 7:00PM〜
【料金】   前売2200円、当日2500円
【会場】   心斎橋ウイングフィールド










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